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32話-2 眠りから覚めたなら。

last update 최신 업데이트: 2025-07-06 20:00:32

そして午後には帝都の魔を全て浄化したアベルとカイが軍達と共にアルカディア宮殿に戻り、フェリシアのことを知ったアベルとカイは顔を曇らせる。

だが、アベルはエルバートの肩をぽんと叩き、カイと励ましの言葉をかけ、

リリーシャはフェリシアが目覚めるまで宮殿に残ると言い、

ラズールとクォーツは交代制でブラン公爵邸の管理をしつつ、

エルバートを手伝うディアムやリリーシャと共にアルカディア宮殿の復旧の手伝いをする。

そしてエルバートは復旧と執務をこなしながら、お可哀想に、とフェリシアの部屋の花瓶に白き花を飾るメイド長に憐れみられ、ディアムに心配されつつも大丈夫だとフェリシアの看病をしながら壊れたままだったチェーン付きの勲章のようなブローチを直し続け――、とある深夜。

「エルバート」

寝室のベッドの横に立ち尽くした状態のルークス皇帝に名を呼ばれ、エルバートはその横で跪きながらハッとする。

「何度呼んでも上の空とは」

「大変申し訳ありません」

「ディアムからの報告を側近から聞いたところ、フェリシアが眠りについてから3週間程経過してもまだ、復旧と執務をこなしながらフェリシアの看病を続けているそうであるな」

ディアムめ、余計な報告を。

「大丈夫か? 我から見ても相当疲弊しているように見えるが」

「私は疲弊などしておりませんので大丈夫にございます!」

エルバートは強く否定し、ハッとする。

「ルークス皇帝、今のは……」

「良い。お前をこうして追い詰めた状況にしたのは我自身なのだからな」

ルークス皇帝は儚げな表情を浮かべる。

「お前とフェリシアに幸せになってもらいと思いながらもフェリシアを我だけのものに出来たらという想いもあり、魔に隙を突かれ乗っ取られてしまった」

「本当にすまなかった」

ルークス皇帝は頭を深々と下げる。

「ルークス皇帝、どうか頭をお上げ下さい」

ルークス皇帝は頭を上げ、エルバートを見る。

「私はルークス皇帝を失わずにこうして話が出来たこと、大変嬉しく思っております」

「我も同じ想いだ」

「そして剣を交えた時に感じたが、幼少の
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  • 一通の手紙から始まる花嫁物語。   32話-2 眠りから覚めたなら。

    そして午後には帝都の魔を全て浄化したアベルとカイが軍達と共にアルカディア宮殿に戻り、フェリシアのことを知ったアベルとカイは顔を曇らせる。 だが、アベルはエルバートの肩をぽんと叩き、カイと励ましの言葉をかけ、 リリーシャはフェリシアが目覚めるまで宮殿に残ると言い、 ラズールとクォーツは交代制でブラン公爵邸の管理をしつつ、 エルバートを手伝うディアムやリリーシャと共にアルカディア宮殿の復旧の手伝いをする。 そしてエルバートは復旧と執務をこなしながら、お可哀想に、とフェリシアの部屋の花瓶に白き花を飾るメイド長に憐れみられ、ディアムに心配されつつも大丈夫だとフェリシアの看病をしながら壊れたままだったチェーン付きの勲章のようなブローチを直し続け――、とある深夜。 「エルバート」 寝室のベッドの横に立ち尽くした状態のルークス皇帝に名を呼ばれ、エルバートはその横で跪きながらハッとする。 「何度呼んでも上の空とは」 「大変申し訳ありません」 「ディアムからの報告を側近から聞いたところ、フェリシアが眠りについてから3週間程経過してもまだ、復旧と執務をこなしながらフェリシアの看病を続けているそうであるな」 ディアムめ、余計な報告を。 「大丈夫か? 我から見ても相当疲弊しているように見えるが」 「私は疲弊などしておりませんので大丈夫にございます!」 エルバートは強く否定し、ハッとする。 「ルークス皇帝、今のは……」 「良い。お前をこうして追い詰めた状況にしたのは我自身なのだからな」 ルークス皇帝は儚げな表情を浮かべる。 「お前とフェリシアに幸せになってもらいと思いながらもフェリシアを我だけのものに出来たらという想いもあり、魔に隙を突かれ乗っ取られてしまった」 「本当にすまなかった」 ルークス皇帝は頭を深々と下げる。 「ルークス皇帝、どうか頭をお上げ下さい」 ルークス皇帝は頭を上げ、エルバートを見る。 「私はルークス皇帝を失わずにこうして話が出来たこと、大変嬉しく思っております」 「我も同じ想いだ」 「そして剣を交えた時に感じたが、幼少の

  • 一通の手紙から始まる花嫁物語。   32話-1 眠りから覚めたなら。

    * * * エルバートは部屋の椅子に座り、ベッドで眠ったままのフェリシアの右手を握る。 「フェリシア、どうか目覚めてくれ」 「頼む」 エルバートは両目を閉じ、強く祈った。 * * * フェリシアが目を閉じた後、双子のメイドのシエルとノエルが祓いの力を持つ天才医師を連れて皇帝の間に駆け付けた。 なぜか、アルカディア宮殿の魔が急激に弱くなり、 自分達とルークス皇帝の親衛部隊、ゼイン、クランドールの軍で宮殿内の魔の浄化が全て完了し、宮殿外も、間もなく、魔の浄化が完了し、アベルやカイ、その軍達による帝都の魔の浄化が完了するのもそう時間は掛からないとの報告を受けた。 魔が急激に弱体化したのは恐らく、ルークス皇帝を乗っ取った魔を浄化したことによる影響だろう。 「では、殿上医(てんじょうい)は、ルークス皇帝から治療を、シエルとノエルはまずはユナイトの治療を開始して下さい」 「了解しました」 「かしこまりました」 医師は承諾し、シエルとノエルも同時に承諾し、ユナイトの治療にあたる。 そしてユナイトが目覚めると、医師と共に治療をしていき、宮殿外も魔の浄化が完了したとの報告をルークス皇帝の親衛部隊から受ける中、ルークス皇帝の側近のリンク、ゼイン、クランドール、ディアム、リリーシャ、クォーツ、ラズールは意識を取り戻して起き上がり、ルークス皇帝は動けないものの意識は戻り、エルバートも治療を終える。 しかし、フェリシアだけは医師とユナイトが持てる力を使い懸命に治療を施しても一向に目覚めない。 「何故、目覚めない?」 「エルバート軍師長、大変申し訳ありません。私共ではもう手の施しようが……」 医師が謝罪を口にすると、リリーシャの瞳が揺れる。 「フェリシア様、そんな……」 リリーシャの落胆した言葉とすすり泣きを聞いたユナイトは、自身の両手をぐっと握り、口を開く。 「私がフェリシア様に禁忌の呪文でもある破滅の呪文を手紙でお教えしなければこのようなことには……」 「禁忌の呪文でもある破滅の呪文、だと? 一体どういうことだ?」

  • 一通の手紙から始まる花嫁物語。   31話-7 すべてを救う為に。

    * * *(このまま、ご主人さまにルークス皇帝をやらせる訳にはいかない)フェリシアは邪気による胸の締め付けに苦しみながらも右腕を動かし、ドレスが少し破けつつも邪気に右手で触れ、祓いの力を使う。すると瞳が神々しく輝き、包まれた邪気を全て祓い除け、自ら拘束を解き放ち駆けて行く。そしてエルバートとルークス皇帝の間に入った。エルバートはギリギリで攻撃を止める。「フェリシア、お前、死にたいのか!?」「はい。このままルークス皇帝をご主人さまがやるとおっしゃるのなら」「邪魔をするな! 私がルークス皇帝をお隠れにせねば、この皇国は滅びるんだぞ!」「それでも、ご主人さまにルークス皇帝はやらせません」「思い出したのです。ルークス皇帝をお救い出来る呪文を」「ですのでわたしがルークス皇帝をお救い致します」「それは我の物になると言うことか?」冷たい顔のルークス皇帝が尋ねる。「我の物になれば特別にこやつから出て行ってやるぞ」「お気持ちにはお答え出来ません」フェリシアに2度断られ、ルークス皇帝の体から邪気が溢れ、急激に膨張する。「それでも、ルークス皇帝はわたしにとっても大切な存在なことに変わりありません」「だからルークス皇帝、少しの間、魔を押さえていて下さい」(そしてご主人さま、ごめんなさい)(この呪文を唱えた後、わたしは破滅します)(けれど、ルークス皇帝とアルカディア皇国をお救いし、必ず守り抜いてみせます)フェリシアは覚悟を決め、エルバートに呪文の言葉を耳元で告げ、ドレスのブローチを左手で掴み、右手を前に出す。するとエルバートも手を前に出し、その手に自分の手を重ね、フェリシアとエルバートはルークス皇帝を見据え、そして。「破滅せよ(ラルナ)!」呪文を同時に叫んだ。その瞬間、光の渦が天からルークス皇帝に向かって降り注ぎ、ルークス皇帝は光の塊となり、そこから眩い光が四方八方に飛散して強烈な爆発音が鳴り響き、蠢(うごめ)くような声と共に魔のみが、まるで、

  • 一通の手紙から始まる花嫁物語。   31話-6 すべてを救う為に。

    クォーツが教会に向かい帰って来た時。ユナイトから手紙を預かったと部屋の前でクォーツに手渡された。そして部屋の中に入り、封を開け手紙を取り出し開くと、手紙にはこう書かれていた。フェリシア様、エルバート様の回復の件、承りました。私はこれよりアルカディア宮殿へと向かいます。ですが、その前に貴女に伝えたき最後の呪文があります。この呪文はご両親から聞かされておりましたが、特訓ではあえて教えませんでした。なぜなら、この呪文は破滅の呪文であり、絶対に使ってはいけない禁忌の呪文でもあるからです。しかし、今は非常事態。この呪文を使えば貴女自身どうなるかは分かりかねますが、必ずルークス皇帝をお救い出来ます。その為、貴女に教え、使うか使わないかは貴女に委ねます。この呪文は、エルバート様と手を重ね合わせないと発動しません。お互いの手を相手に向け、重ね合わせ、2人同時に呪文を唱えるのです。呪文の言葉はラルナで御座います。自分はこの手紙を読み終えた時、ルークス皇帝をお救い出来るのだと思う気持ちと同時にエルバートと別れなくてはいけなくなるのかもしれないと怯えた。けれど、覚悟を決めなくては。* * *エルバートとルークス皇帝の刃が激しい衝撃音と共に交錯(こうさく)する。如月の末日にルークス皇帝にはこの世からお隠れ頂くとルークス皇帝の側近から強き宣言された日の夜。牢で、お隠れ頂くならば、せめて、自分の手で、と覚悟を決めた。その決心からフェリシアにルークス皇帝を浄化させる重荷を背負わせたくないと思い、ディアム達が倒れた今もこうして戦っている。だというのに、ルークス皇帝の剣を寸前で交わし受け続け耐えているだけ。これでは牢獄行きを命じられた後、ルークス皇帝にこの場で右肩を剣で斬られる寸前に致命傷にならないよう交わしたあの時と同じようなものではないか。(もう私がお隠れにするしかない)そのことは頭でも理解している。だがやはり。(私はルークス皇帝を失いたくはない――――)「何を迷うている」火花が飛び散る

  • 一通の手紙から始まる花嫁物語。   31話-5 すべてを救う為に。

    「マゾク達を殺した……?」「フェリシア、耳を貸すな!」エルバートが叫ぶ。「そうだ。魔に両親を殺された悲しみを知っているお前が我から」「家族同然の仲間の命を、“マゾクの命”を奪ったのだ」覚醒前に見た夢で母が、魔は人の負の感情から生まれた孤独な邪気のかたまりであり、人が生み出した。その為、祓いの力を持つ祓い人である母と父が浄化し清め続けなくてはならないと魔について尋ねた自分に答えてくれた。けれど。「これまでわたしは大切な命を奪って来たの……?」動揺すると、魔の声がフェリシアの精神に強く響き渡る。マゾクノ命ヲ奪ッタノモ、ルークスヲ魔ニシタノモ、エルバートガ牢ニ入ル事ニナッタノモ、全部、オマエノセイ。罪ヲ償エ。罪ヲ償エ。罪ヲ償エ。ソシテ早ク我ノ物ニナルノダ。体がふらつき、エルバートに体を支えられる。「フェリシア、しっかりしろ!」「なんの為にここまで来たんだ!?」なんの、為に?――そうだ。(わたしは、ご主人さまを)(そしてルークス皇帝を救う為に来た)「お断り致します」フェリシアは平常心を取り戻し、強く宣言をした。「耐えるか、さすがは祓い姫」「だが、お前の答えが間違いだったとすぐに証明してやろうぞ」ルークス皇帝はフェリシアを睨む。すると突如邪気に包まれ、邪気がフェリシアの胸を締め付ける。「あ……あ……」「フェリシア!」「エルバートよ、フェリシアの邪気を祓おうとすればもっと苦しむことになるぞ」エルバートはフェリシアの顔を見つめる。「フェリシア、ここで見届けろ」「ご主人……さま……」フェリシアは自分から離れ、ルークス皇帝と対峙したエルバートの姿をただただ見つめた。

  • 一通の手紙から始まる花嫁物語。   31話-4 すべてを救う為に。

    エルバートが叫ぶと、リリーシャはルークス皇帝に剣先を向け、剣から祓いの力を溢れ出させ、疾風のごとく駆け、ルークス皇帝に斬り掛かり、ルークス皇帝は剣ごとリリーシャを打ち飛ばす。 すると続けてラズールが祓いの力を体から放ち、瞬時にルークスの前まで駆け、鞘から剣を抜き、腕を斬り落そうとする。 ルークス皇帝はそれに素早く反応し、剣ごとラズールを打ち飛ばすと、クォーツが弓矢に祓いの力を込め、三つ編みにして一つに束ねた髪を揺らし、弓矢を放つと同時にシルヴィオが銃を構え、トリガーを引き2連続で撃つ。 ルークス皇帝は瞬時にその弓矢と銃弾を避ける。 「ディアム、行くぞ」 「かしこまりました」 エルバートの掛け声にディアムは応じるとふたりは同時に剣を一閃しながらターンをして腕を引き、剣先をルークス皇帝に向け、同時に祓いの力を放つ。 ルークス皇帝はその攻撃を剣で跳ね返すとふたりは瞬時に避ける。 そしてエルバートは祓いの力で瞬速にルークス皇帝まで駆け、高く飛び上がり、ルークス皇帝に向けて剣を振り下ろす。 ルークス皇帝は剣ごとエルバートを打ち飛ばし、エルバートは一回転して床に着地する。 するとフェリシアは手を前に出す。 「フェリシアよ、このまま我を浄化すれば、ルークス皇帝をも浄化する事になるのだぞ。それで良いのか?」 ルークス皇帝に脅され、フェリシアは躊躇(ためら)う。 するとルークス皇帝は剣をエルバートに向け、殺気を放つ。 (本気でご主人さまを……) 「ご主人さま、申し訳ありません。やっぱり見ているだけだなんて出来ません」 「ブローシャイン!」 フェリシアが唱えた瞬間、光の衣が体全体を包み込み、その光がルークス皇帝に向かって放たれる。 するとルークス皇帝は剣ではなく手でその攻撃を跳ね返し、 祓いの力で瞬速に駆けて来たエルバートにフェリシアは抱き寄せられ、攻撃は逸れて壁に当たり、壁が崩れ落ちる。 「フェリシア、何があろうと一切手出しするなと言ったはずだが?」 「ご主人さま、申し訳ありません……」 フェリシアが謝罪するとルークス皇帝は剣を突き上げ詠唱する。 「天より神の裁きを今ここに仰ぐ」 その直後、ディアム、シルヴィオ、リリーシャ、クォーツ、ラズールに光の雷が落ちた。 するとディアム達は床に倒れ、フェリシアは動揺する。 (ディアムさん達まで

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